マシマタケシ
1962年、山形県酒田市生まれ
自然にはふた通りあって、私たちが普段目にする山や海、森、川、鳥や生き物たちはいわゆる「自然の営みから生じたもの」と呼べます。
もうひとつの「生じさせる原因」である、他の言い方で生命力とか自然の精霊というものを、私たちは直接観る事が出来ません。
ただ、感性の瞳孔を開いて耳を澄ませた時に、そこのアクセス出来るドアが微かに開くのです。ボクはそこから入って絵を描きます。
ボクの絵を観て懐かしい様な気持ちになるのは、皆さんが見ると同時に観ている自然の姿がそこに描かれているからです。
日本語はたぐいまれなる言語と言われていて、これ程高度の印象のやり取りが出来るのは、日本語の基礎が「音」でつくられているから。
シトシト、キラキラ、シンシン、この表現だけで、私たちは同じ場面を浮かべます。
マシマタケシは絵を日本語で描いている、と言われるのはこういう理由です。描写や写したものでは無く「そのもの」生きているうごめいている。